トラリピ世界戦略は、マネースクエア公式が推しているメジャーな戦略です。
公式サイトでも多くのメリットが示されています。
ただ、トラリピ世界戦略も万能ではありません。
私はトラリピ世界戦略ではない別の戦略を取っています。
この記事では、トラリピ世界戦略を検証し、メリットデメリットをお伝えします。
また、トラリピ世界戦略の代わりとなりうる「最強設定」もご紹介します。
1.トラリピ世界戦略とは?
トラリピ世界戦略とは次の内容です。
【通貨ペア】豪ドル/NZドル、ユーロ/英ポンド、米ドル/カナダドルの3通貨ペアに分散
【口座資金】1通貨ペアごとに100万円を割り当て合計300万円で運用
【設定概要】
・豪ドル/NZドル:1.01~1.07で買い、1.07~1.13で売りのダイヤモンド戦略
・ユーロ/英ポンド:0.75~0.85で買い、0.85~0.95で売りのハーフ&ハーフ
・米ドル/カナダドル:1.20~1.30で買い、1.30~1.40で売りのハーフ&ハーフ
◆パフォーマンス:300万円運用で51万円の利益→年率換算19.3%(2022/5~2023/3)
トラリピ向きの3通貨ペアでハーフ&ハーフやダイヤモンド戦略を使うことで、投資効率を上げています。
一方、互いに相関がない3通貨ペアに分散投資することでリスクを分散させています。
一言でいうと、
投資効率を上げつつもリスクを分散するバランスの取れた戦略
です。
設定の詳細は口座開設してログインすると確認できます。
口座開設は無料なので、先に行っておきましょう。
2.トラリピ世界戦略のメリット
公式サイトで挙げられているトラリピ世界戦略のメリットは次の5つです。
一見メリットが多そうに見えますが、よく考えるとそうとも言い切れません。
詳しく解説します。
地域固有のリスクを緩和
欧州、オセアニア、北米という地理的に分散した3通貨ペアで運用することで、地政学的なリスクを緩和しているとのことです。
一見その通りに思えますが、実はよく考えると逆にリスクが増えているとも言えます。
どういうことかというと、1通貨ペアであれば関わっているのは2つの国だけですが、3通貨ペアであれば、6つの国と地域が関与しています。
関わる国が2地域→6地域と増えることで、リスクは3倍になっていると考えられるのです。
株と違って、FXはリスクに上限がありません。
株であれば100万円の株を買えば、1銘柄当たりのリスクは100万円が上限です。
一方FXは、300万円を同じ口座に入れている限り、1銘柄当たりのリスクは上限300万円なのです。
24時間、365日アクティブ
欧州、オセアニア、北米の3つの時差のある市場に投資するため、24時間値動きがアクティブになるとのことです。
これはその通りですが、収益面を考えるとメリットとまでは言えません。
市場の時間に関係なく、単に通貨ペアのボラティリティ(変動幅)が大事です。
ボラティリティは豪ドル/NZドルが最も大きいです。
↓100pips当たりの総推移(どれだけボラティリティがあるか)
値動きに相関がない
3通貨ペアの値動きに相関がなく、リスク分散ができているとのことです。
これもある意味正解で、ある意味間違いです。
値動きに相関がないということは3通貨ペアがランダムで変動するということです。
ランダムということは、同じ方向に動くこともありうるということです。
また、先ほど述べたように関係する国が2つ→6つへ増えているため、リスクは3倍とも言えます。
つまり、リスク分散になるとは言い切れないのです。
収益チャンスが多い
3通貨ペアの変動ピークのタイミングがずれるため、収益発生機会が増えるとのことです。
これはその通りですが、収益を考えると、大事なのはトータルの変動量です。
機会が増えること自体はメリットとは言いづらいです。
額はともかく、利益が出る回数が増えることがうれしいという人にとってはメリットですね。
価格変動リスクを抑える
含み損を抱えるタイミングがずれるためトータルの含み損の額は小さくなり、心理的負担の軽減になるとのことです。
確かに心理的負担は軽減されるためメリットと言えるでしょう。
ただトラリピでは、ロスカットされなければ含み損自体は問題ないため、そこまで大きなメリットとも言えません。
3.トラリピ世界戦略のデメリット
トラリピ世界戦略には公式サイトでは触れらていないデメリットが3つあります。
詳しく解説します。
1通貨運用に比べてリターンが減る
世界戦略では、3通貨ペアに投資するためリスクが分散される一方、リターンは減ります。
最も投資効率の高い豪ドル/NZドル1通貨ペアに投資するのとどらくらい変わるか比べます。
世界戦略:資金300万円→利益51万円
豪ドル/NZドル:資金300万円→利益69万円
(※2022/5~2023/3の公式による試算)
その差、18万円。利益は73%に落ちました。
この通り、同じ資金で収益を最大化するなら豪ドル/NZドル1本のほうがメリットが大きいです。
マイナススワップリスクが増える
現在のレートを考えると、米ドル/カナダドルがマイナススワップが発生します。
額も1万通貨1日当たり、「-23円」と小さくありません。
(2024/1/4現在)
仮に豪ドル/NZドルだけで運用していれば、マイナススワップは発生していません。
マイナススワップリスクも増えるということを理解しておく必要があります。
管理の手間が増える
3通貨ペアを運用することで、1通貨ペアよりも管理の手間が増えます。
平常時は特に問題ないのですが、レートが大きく動いたときの緊急時などは3通貨ペアの計算をしなければいけないため、対応に手間取られます。
せっかく、手間をかけずに運用できるのがトラリピのメリットなので、なるべく管理の手間はかけたくないものです。
4.私の最強設定
以上、トラリピ世界戦略を考察してきましたが、結論私は別の戦略を取っています。
この章では私が考える最強設定をご紹介してトラリピ世界戦略と利益率を比較してみます。
私の最強設定
ずばり、私が考える最強設定はこちらです。
運用資金 | 200万円 |
通貨ペア | 豪ドル/NZドル(1通貨ペアのみ) |
売り設定 | レンジ:1.0605~1.11 注文金額:0.2万通貨 トラップ本数:100本 (トラップ値幅:0.0005) 利益値幅:0.008 決済トレール・ストップロス:なし |
買い設定 | レンジ:1.0105~1.06 注文金額:0.3万通貨 トラップ本数:100本(トラップ値幅:0.0005) 利益値幅:0.008 決済トレール・ストップロス:なし |
最強設定が最強な理由
この設定が最強な理由はこちらです。
- 豪ドル/NZドルは変動幅が狭い
- 豪ドル/NZドルは上下限突破リスクが低い
- 豪ドル/NZドルはリピート数が多い
- 投資効率の高いハーフ&ハーフ戦略
すべてトラリピで投資効率を上げるのに重要な要素です。
この設定についての詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。
トラリピ世界戦略と最強設定の利益率比較
トラリピ世界戦略と私の最強設定で同期間の利益率を比較してみます。
トラリピ世界戦略:300万円運用 → 利益51万円(利率17%)
最強設定:200万円運用 → 利益43万円(利率22%)
(※2022/5~2023/3の実績)
この期間に限っては、最強設定のほうが5%も利益率が高いことが分かります。
一方、これはたまたまこの時期の相場が豪ドル/NZドルに向いていただけという可能性もあります。
また今後はどうなるかは誰にもわかりません。
トラリピにおいては、客観的事実から自分で納得して設定を決めることが大切です。
5.トラリピ世界戦略と最強設定が向いている人
以上の考察から、トラリピ世界戦略と私の最強設定がそれぞれ向いている人はこんな人です。
参考にしてみてください。
6.まとめ
この記事では、マネースクエア公式が推しているトラリピ世界戦略を考察しました。
3通貨ペア分散投資がリスク分散になるかどうかは考え方次第なところもありますが、世界戦略はリスクリターンのバランスに優れた戦略と言えます。
一方、投資効率をさらに上げたい人や管理の手間を省きたい人に向けて、私が考える最強設定もご紹介しました。
それぞれの設定のメリットとデメリットを十分理解した上で、納得のいく設定でトラリピを始めましょう。
トラリピは口座開設は無料で手軽にできます。
納得いく設定が見つかったら投資機会を逃さないようすぐに始められるよう、口座開設は先に済ませておきましょう。